夕刊デイリー新聞(2012年10月1日号)に当社の太陽光発電システムとハウス用自動噴霧装置が紹介されました。


太陽光発電で施設栽培

新規就農者の田中一生さん-5日から展示会

 新規就農者の田中一生=かずお=さん(45)=延岡市大武町=が、自然エネルギーを生かしたハウス施設栽培に取り組み始めた。太陽光発電システムを活用し、水や液体肥料などが自動散布できるほか、温度設定により換気ファンや動力噴霧器が作動する全自動システム。

 生産者の労力軽減につながることから、多くの農業関係者らに新システムを広く知ってもらおうと10月5、6日は展示会を計画している。「ボタン一つですべてできるのが魅力。作業効率が上がり、収量増も期待できる。今までこのような全自動システムは全国的にも例がないので、興味のある方に見てもらい、どんどん広がってもらいたい」と話している。

 田中さんは上京後、昨年末に帰郷。今年1月に脱サラし、兼業農家の父親から受け継ぎ就農した。今春にビニールハウスを3連棟で建てたが、近くを電気が通っていないため、ハウス内の温度調整もできず思案していたところ、市内でクリーンエネルギーメーカー「ブルーウイング」を経営する森山喜昭さん(67)=同市別府町=の存在を本紙で知って相談したところ快諾。同社が試行錯誤の上に、田中さんの施設栽培に適応した新システムを完成させた。

ブルーウイングとタッグで

 新システムは太陽光発電による蓄電型で、工業用の三相200ボルト(動力)発電システムを独自開発したことで、水まきや換気扇、採水ポンプの動力噴霧器の全自動化を可能にしたという。

 約30平方メートルのハウス内を手作業で水やりした場合、約2時間かかる所要時間が約15分間で済むほか、組み込まれた温度システムにより、35度を超えると換気ファンが自動的に作動して外気を入れ、40度を超すと動力噴霧器が作動して微粒子の濃霧がハウス内を覆い、適温まで下げるのが特長。生産者の労力軽減につながることはもちろん、電気料金がかからないため経済的という。

 9月20日から稼働。ハウス内ではすでに軟弱野菜の水菜やミブナがスクスクと育ち、収穫や出荷が始まっており、来月下旬からはミニトマトの収穫も始まるという。

 農業生産者の高齢化や後継者不足が言われる中で、田中さんは「エコな自然エネルギーで楽しく農業ができる新システムを開発していただきうれしい。就農を考えている人や多くの皆さんに新たな農業の形を見てほしい」と呼び掛けていた。

 森山社長は「田中さんがチャンスをくれたので、集中して新システムの開発に取り組むことができた。今後は農業はもちろん、さまざまな分野で展開していきたい」と意欲を見せていた。

 展示会は両日とも午前10時から午後5時まで。午前10時と午後2時には自動噴霧器の実演を行う。

2012_1001_田中さん