夕刊デイリー新聞(2009年9月3日付)に掲載されました。


(以下、夕刊デイリー新聞より本文を転載)

親子でエコ風力発電開発

 延岡市別府町の、風力・太陽光ハイブリット発電システム開発会社「ブルーウィング」(森山喜昭社長)がこのほど、リサイクル品を使った新しい「エコ」な風力発電システムを開発した。発生した電気を充電することで、必要なときに使える。またリサイクル品を活用することでコストも大幅に圧縮することができ、一般家庭への普及にも期待が高まりそう。あすと5日の両日、同社で展示説明会がある。

 社員は父・喜昭さん(63)と息子・慎作さん(32)の2人。開発から完成までの約1年間、”親子二人三脚”で取り組んだ。「自然エネルギーの素晴らしさを感じて欲しい」と言う。

 昨年3月、温室効果ガスの削減について取り決めた京都議定書=1997(平成9)年12月11日決議=のテレビニュースを見ているとき、「一般家庭用の風力発電がつくれないか」と喜昭さんが考えたのがきっかけ。本を読みインターネットで調べて独自に研究を積み重ねていった。

 最初に直面した壁は発電の心臓部であるコイル。発電用のコイルは高価なため、それを使うと本体の値段も跳ね上がってしまい、家庭用としては普及しない。当時、東京で携帯会社に勤めていた慎作さんに相談し、自動車に使われるオルタネーター(交流発電機)を改造して転用することを勧められた。こうして昨年9月に試作機が完成。同時に「ブルーウィング」を設立した。そのときに慎作さんも帰郷。「最初は趣味の世界だったが、そこを飛び出してしまった」と設立当時を振り返る。

 試作機完成後も、時には知人に相談しながら改良を重ね、今年8月初めに3枚羽根(1枚の長さ約60センチ)の発電システムの完成を迎えた。本体価格は20〜30万円程度といい「この風力発電がきっかけとなって、宮崎から”エコ”発信をしていきたい」と製品に込める思いは強い。

 展示説明会は午前10時から午後5時まで。午前11時と午後2時にデモンストレーションもある。

2009_0903_風力夕刊